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現役保育士がお届けする これからの未来

なんでうちの子は食べないの?イヤイヤ期における食事の考え方

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保育士としてお仕事をしていると、必ず保護者の方から相談を受けるのが「食事」について。中でも一番多いのが「うちの子食べてくれなくて…」

僕も3歳児と0歳児の父親として、食事について悩む方がいるのは当然だな、と思います。なぜならルールがあるようでないからです。「この時期にはこれぐらいの量にして、この食品を追加して」などのおおまかな目安は示されておりますが、その通りに全員が全員子どもの食事なんて進むはずがないし、基準値にとらわれすぎるから悩みに繋がることもあります。

 

そもそも提供する食事の量はその子に見合った量ですか?僕が現場で、新卒の保育士に指導するとき必ず言います。「〇〇くんと、〇〇ちゃんは胃袋の大きさが違うから、その子にとっての完食を目指そうね」少し見方を変えるだけでも、気持ちがぐっとラクになりますよね。

 

保育所保育指針解説では「子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること」とあります。

 

人はロボットと異なり、いつも同じように同じ時間に空腹状態にはなりません。朝食の量、その日の活動量、体調や機嫌によって、毎日、毎回変化します。

 

特に乳児期で大切なことは、いろいろな味との心地よい出会いをすることにあり、好き嫌いなくなんでも残さず食べることではありません。そもそも子どもの食べ物の好き嫌いは、わがままからくるものではなく、味覚が敏感な為セキュリティのメカニズムが働いて、その食べ物を拒否している場合もあります。また、3歳を過ぎると、本能的に初めての物を警戒することが減ってきて、「ちょっとだけ食べてみようかな」というような意欲や気持ちで食べられるようになってきます。

 

また、日本では、なるべく好き嫌いがないようにと、なんでも満遍なく食べさせようとしますが、これは世界的には珍しいのです。行き過ぎると、本当に食べられないものを食べさせてしまっていることになりかねない。スウェーデンでは、最初の食事では満遍なく食べさせるのではなく、子どもが好きなものの種類を増やしていこうという考え方です。

 

あとは、その食材を実際に育ててみるのもいいと思います。例えば、ピーマンが苦手ならば、苗からでも育て、種取をし、一緒に調理をすることにより、緑色が見えるだけで拒否反応を示していた子も「一口だけ食べてみようかな」なんてこともあります。

 

上記の内容を踏まえ、楽しい食事ライフをお過ごしください。

 

泣きみそ校長と弁当の日

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